国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
QST病院

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メディカルデータバンクについて

目的

メディカルデータバンクとは、皆様の診察情報・検査データなどの医療情報を集積し、多くの研究に用いることによって、様々な病気の研究に資するための仕組みです。
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 QST病院(以下当院と呼びます)では、がんなどの悪性腫瘍の早期診断、最良の放射線治療の提供を目指した研究に取り組んでいます。その目的を達成するためには、たくさんの患者さんの診療で使われた医療情報(カルテ・画像・検査のデータ)と検査に使われた血液・組織・尿など(以下「血液・組織など」という)、及び研究のための採血10ml程度を保存させていただき、将来にわたって集積して、解析をしていく必要があります。これらを利用して行われる研究の成果は、現在病気と闘う人々だけでなく、将来の世代の人々を病気から救うことができる可能性を秘めています。メディカルデータバンクを利用した研究から、以下の様々な成果が得られることが期待されています。

  • 新しい治療薬・治療法・予防法の開発
  • 新しい診断法・検査法の開発
  • 予防や治療に役立つマーカー物質(例・がんマーカー)の発見
  • 医学・医療・医学教育等の質・技術・レベルの向上

対象

対象となる患者さんは、2015年4月以降、当院で放射線治療を行う患者さんで、病名にかかわらず全員が対象となります。ただし、治療を行わないセカンドオピニオンを受診する患者さんを除きます。また、臨床上の理由等により、医師がQST病院で治療をしないと決定した場合は本事業の対象外となります。

利用する情報

研究に利用する情報は、以下のようなものです。

  • 診察に際しての検査後に使われて残った血液・組織など及び研究のための採血10ml程度
  • 診療や検査で得られた情報・データ(遺伝情報、画像等を含みます)患者さんの情報、病気の情報、放射線治療の情報、治療開始日、副作用などの情報 (全身状態PS、早期―有害事象と重症度、晩期―有害事象と重症度、最終生存/死亡確認日、再発の有無、二次発がんの有無)
  • 診療後の余剰病理組織、検体など

方法

上記の「利用する情報」を用い、今後の様々な研究に利用します。広い範囲の研究に将来利用される可能性がありますが、具体的な研究内容については、現時点では予測できませんが、その詳細は、当院のホームページで随時公開し、このホームページでどのような研究が行われているか掲載しております。現在行われている研究一覧はこちらをご覧下さい。
また、各研究において個人情報保護については十分に留意し、患者さん個人が特定されるような解析は行いません。

メディカルデータバンク
メディカルデータバンク

実施組織名

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 QST病院

責任者名

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 QST病院長

問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)

連絡先QST病院 メディカルデータバンク 同意・相談窓口
所在地:〒263-8555 千葉県千葉市稲毛区穴川4丁目9番1号
TEL:043-206-3306

個人情報の取扱い方法

本事業において集積・保存・利用する情報・データおよび血液・組織などとそれらに付帯する、住所・氏名といった皆さん個人を特定する情報(個人情報)は、厳重な監視のもとで管理しています。 加えて、個人情報を無関係の番号や記号に置換える「匿名化処理」を施すことによって、情報が万一外部に漏れた場合でも、皆さん個人に及ぼす不利益が最小限となるような対策をとっています。
「個人情報管理者」がこの匿名化処理に責任を持ち、研究者は匿名化された血液・組織などと、それらに付随する情報の提供を受けて初めて遺伝子解析研究を実施することができる、 という仕組みになっています。従って匿名化を管理する個人情報管理者以外は、誰の血液・組織や診療情報であったか分からないようになっています。また、遺伝情報・遺伝子解析データについても、 同様に厳重な対策と監視のもとで管理します。
また、当研究所での一定の手続きと審査での承認を得た場合には、さまざまな医学研究ならびに医薬品・医療機器等の開発のために情報・データを用います。 また、国内外の他の研究機関の研究者との共同研究では、審査で承認が得られれば皆様の情報・データを提供します。 その場合にもそれらの機関に対して個人を特定する情報(個人情報)が提供されることはありません。

ご協力頂いた方へ還元できること

メディカルデータバンクにご提供いただいた血液・組織などや情報・データは、今後何十年もの長期にわたって保存しながら研究に利用します。 メディカルデータバンクから得られる研究の成果は、今後、当院のホームページ、報道・マスコミおよび学会や学術雑誌に発表し、ご協力者を含む「社会全体」に対して還元していきます。 なお提供いただいたお一人お一人に対して、個別に研究データをご報告することは原則としていたしません。 ただし、研究の過程であなたやあなたのご家族の健康を守る上で重要と思われる結果が判明した場合には、研究の結果を知りたいか否かについてのご要望を、「同意書」で伺っています。 なお、この同意書で「知らせないでください」を選ばれた場合も、重要な結果が判明し、かつそれに有効な対処法があると考えられる場合には、その病気の専門家や、研究倫理審査委員会の意見を聞き、 慎重に検討した上で、あなたにその内容を伝えて良いかどうかの問い合わせをさせていただくことがあります。

患者さんへのお願い

このメディカルデータバンクへのご自分のデータの使用をお断りになっても、不利益を受けることは全くありません。いつでもお断りいただけます。 ご自分の放射線治療に関するデータなどを今後の研究に使用して欲しくない場合など、本研究に関する申し出や問合せなどは、上記連絡先までご連絡をお願いします。

例)

  • ご自分の放射線治療に関するデータなどを今後の研究に使用して欲しくない場合
  • 研究に同意した内容を非同意などに変更したい場合

メディカルデータバンク利用研究課題一覧

研究課題は随時更新されます

  • 血中可溶性インターロイキン6受容体と重粒子線治療効果の関連解析
    • 期間:2018年6月~2024年12月
    • 対象:上記期間中に膵臓癌の治療を受けた方
    • 共同研究先:国立がん研究センター研究所
    • 内容:研究計画番号18-004(PDF参照
  • 膵臓がん罹患者と前立腺がん罹患者の血中エピゲノム異常蓄積の探索
    • 期間:2019年7月~2028年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、膵臓がんまたは前立腺がんを治療された方、及び健常ボランティアの方
    • 内容:研究計画番号19-009(PDF参照
  • 重粒子線治療前後血液試料を用いたがんの治療評価に資するバイオマーカーの探索
    • 期間:2021年5月~2028年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、膵臓がんを治療される方で、本研究の参加について十分な説明を受けた後、本人の自由意思による同意を文書でされた方
      「がん罹患者の血中エピゲノム異常蓄積の探索」(研究計画書番号:19-009)の健常ボランティアとして同意と合わせて二次利用の同意もいただいている方
    • 内容:研究計画番号21-006(PDF参照
  • 重粒子適応難治性骨軟部肉腫の早期発見・局所制御バイオマーカーの新規高感度探索
    • 期間:2021年6月~2026年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、骨軟部腫瘍の治療を受けた方
      「がん罹患者の血中エピゲノム異常蓄積の探索」(研究計画書番号:19-009)の健常ボランティアとして同意と合わせて二次利用の同意もいただいている方
    • 内容:研究計画番号21-008(PDF参照
  • 膵臓癌患者における血中スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)とミューズ細胞の後向き観察研究
    • 期間:2021年9月~2024年12月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、膵臓がんを治療された方
    • 内容:研究計画番号N21-007(PDF参照
  • AIを用いた治療に伴う障害の発生確率の推定
    • 期間:2023年11月~2028年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され重粒子線治療をされた方
    • 内容:研究計画番号23036(PDF参照
    • 共同研究先:東京都立大学
  • 重粒子線治療前後血液試料を用いた被ばくによる生体レドックス変化の解析
    • 期間:2023年9月~2027年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され前立腺癌の重粒子線治療をされる方
    • 内容:研究計画書番号 N23-016(個別説明:研究に参加される方には事前に研究内容に関する説明が行われます)

【過去に行われた研究課題】

  • 前立腺癌に対する重粒子線治療におけるセットアップエラーに関する研究
    • 期間:2015年3月~2016年3月
    • 対象:2014年9月~2014年11月の間に新治療研究棟において前立腺癌を治療した方
    • 内容:重粒子線治療において、位置の誤差は治療計画で十分考慮されていますが、その誤差によって線量集中性がどの様に変化するかを詳しく調べた研究はまだありません。そこで、患者様の治療開始前に撮影した既存のCT画像上で仮想的に位置の誤差を生じさせ、正常組織にどのような影響が生じるかを検討する研究です。
  • 線虫によるがん診断の高度化に関する研究
    • 期間:2017年12月~2019年3月
    • 対象:上記期間中に前立腺癌と診断され、本研究に関する説明を受け研究参加に同意をされた方
    • 内容:研究計画番号17-035
      (個別説明:研究に参加される方には事前に研究内容に関する説明が行われます)
  • リキッドバイオプシーによるがんゲノム解析基盤の検討
    • 期間:2019年7月~2023年3月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、炭素イオン線治療を行う予定の膵臓がん患者で本研究の参加に同意された方
    • 内容:研究計画番号19-013(PDF参照
    • (個別研究:研究に参加される方には事前に研究内容に関する説明が行われます)
    • 共同研究先:千葉県がんセンター研究所
    • 情報公開文書:(PDF参照
  • 頭頸部粘膜悪性黒色腫患者の血中エクソソームmiRNAによる重粒子線治療の効果判定予測のための探索的研究
    • 期間:2019年9月~2024年7月
    • 対象:「包括的同意体制メディカルデータバンク」研究計画に同意され、2015年5月1日から2019年7月31日までに登録されて頭頸部粘膜悪性黒色腫の治療を受けた方
    • 共同研究先:広島大学大学院医系科学研究科
    • 内容:研究計画番号19-017(PDF参照