医師向け

直腸癌術後骨盤内再発

※症例登録は終了しました。

試験デザイン

研究概要・目的

直腸癌術後骨盤内再発に対する重粒子線治療の有効性と安全性を評価する。

試験の背景

重粒子線は線量集中性に優れており、生物効果も高い放射線ですので、周囲に放射線感受性の高い消化管等が存在し、かつ治療抵抗性である直腸癌術後骨盤内再発の治療には適していると考えられます。放医研では、千葉大学・都立駒込病院・大阪医療センターをはじめとする多くの消化器外科、消化器内科の協力の下、直腸癌術後骨盤内再発の治療における重粒子線治療の有用性を実証するための臨床研究を行って来ました。

その結果、良好な局所制御効果が得られること、副作用発生率も低いこと、さらに生命予後の延長にも寄与する可能性が示されています。この結果は、群馬大学重粒子線医学研究センター、九州国際重粒子線がん治療センターなどの追随する施設でも再現されています。

今回、これらの結果を前向きに証明し、保険収載申請のためのエビデンスとするために、直腸癌術後骨盤内再発に対する重粒子線治療に関する多施設共同臨床試験を行うことになりました。主要評価項目は3年生存率ですが、有害事象や費用対効果の解析、QOLの評価も行っていく予定です。

研究デザイン

介入研究、非ランダム化、単アーム、多施設共同試験。

主要評価項目

3年生存率。

副次的評価項目

  1. 局所制御期間
  2. 全生存期間
  3. 無増悪生存期間
  4. 有害事象
  5. 費用対効果
  6. Quality of Life(QOL)評価

対象者

直腸癌術後再発。

試験治療方法

医用重粒子線加速器および照射装置を用い、1日1回 以下の線量分割で行う。

  • 1回4.6Gy(RBE)、2週間で6-8回原則とし、合計16回、総線量73.6Gy(RBE)

*試験治療中は、分子標的薬を含む化学療法、および免疫療法の併用は認めない。

目標症例数

32例。